Apple公式サイトでも既にSIMフリー版のiPhone 6 /iPhone 6 Plusの価格と予約受付日時が公開されています。
昨年、AppleがiPhone 5s / 5cでSIMフリー版を発売したことでも話題になりましたが、まだまだ日本では『SIMフリー』という単語は馴染みが薄いのではないでしょうか。
昨年、予約販売されたiPhone 5s/5cのSIMフリー版は、日本では無謀な試みであると言われていましたが、実際は予約購入者数も多く、結果的に潜在需要の掘り起こしに成功したと言えます。
これにより、日本で発売されるiPhoneは、SIMフリーにはならないという先入観は取り払われることとなりました。今後さらに一般的になっていくであろうSIMフリーとはどういったものなのか、ここでは少し掘り下げてみたいと思います。
SIMカードとは
SIMカード(Subscriber Identity Module Card)とは、電話番号を特定するために固有の番号が記録されたICカードで、契約者の電話番号や契約情報なども記録されています。
携帯電話やスマートフォン本体には、このような情報は記録されていません。そのため、携帯電話やスマートフォンで通話をする際には、このSIMカードが必ず必要になります。
携帯電話キャリアと契約し、iPhoneを購入した場合は、携帯電話キャリアの鍵が掛かっています。
この鍵は、特定のキャリアしかカードを利用できないように携帯電話端末に制限をかけ、キャリア切り替えができないようにするSIMロックのことです。
そのため、docomoで購入したiPhoneは、docomoが提供するSIMカード(※MVNO含む)だけが使用でき、ソフトバンクやauなどのSIMカードは使うことができません。
※MVNO(仮想移動体通信事業者)とは、携帯電話キャリアの提供するデータ通信サービス(3G・LTEなど)を利用して、独自に移動通信サービスを提供する電気通信事業者の総称。
しかし、2010年に総務省が携帯電話キャリアによるSIMロック解除を義務化する方針を示し、平成27年度にも義務付けることを正式に決定しました。
SIMロック解除が進めば、大手による寡占が解消され、ユーザーは安い料金プランのある通信会社へ気軽に乗り換えることができます。ひいては全体の料金引き下げに繋がる可能性もあることから注目されています。
SIMロックを解除
SIMロックを解除し、端末に利用可能な通信方式と周波数を使用できるSIMを挿せば、どのキャリアのSIMでも通信が可能となります。
ただし、このSIMロック解除に対応しているのは、現在、docomoとソフトバンクの一部スマホだけです。
また、SIMロックを解除するには※各携帯電話キャリアで、手続きと手数料が必要になります。
※ auは、すべての機種でSIMロック解除には対応していません。
※ SIMロックを解除すると、キャリアの保証が外れることがあります。
SIMフリーとは
SIMフリーとは、最初からSIMロックがされていない端末を指します。
そのため、ユーザーはSIMカード1枚で、色々な端末を使用することが出来ます。また、キャリアを気にせず使えるため、自分の利用スタイルで通信会社を選択することができ、安くお得に携帯電話、スマートフォンを持つことが可能になります。
メーカー側にとっては、キャリアに依存せず端末を開発できるため、開発コストを抑えられると同時に、広いマーケットに向けて販売が可能になるというメリットがあります。
ただし、SIMフリー制度にはデメリットも存在します。
携帯電話キャリア各社が推奨しているデータ通信プランは、SIMロックを前提に料金体系が決められているため、SIMフリー版が増えた場合は料金が上昇する可能性があります。
また、携帯電話キャリアが提供する、分割払い購入を利用することが出来ません。
割賦購入を選択すれば、毎月の通信料金と合わせて支払うことで、購入当日は1円も払わずiPhoneを持つことが出来ますが、SIMフリー版は、ソフトバンクやdocomo、auなどのキャリアと契約しないため利用することが出来ません。
SIMカードの種類
SIMカードには種類があり、それぞれ形状が異なります。
標準SIM
Xperia PLAY SO-01D
Optimus Pad L-06C
PlayStation Vita 等
microSIM
iPhone4S
Xperia A SO-04E
Nexus 7-32T
GALAXY Tab 7.7
Plus SC-01E 等
nanoSIM
iPhone5
iPhone5s
iPhone5c
iPhone6
iPhone6 Plus 等
SIMフリー版iPhone 6 /6 Plusで出来ること
SIMフリー版のiPhone 6 / 6 Plusのメリットは、海外で現地の携帯電話会社のSIMカードが使えるようになるため、長期滞在や出張などの際に、現地のSIMカードを使用すれば安い料金で通話・通信を行うことが出来ます。
また、MVNO(仮想移動体通信事業者)で安価な料金プランをを提供する事業者が、SIMフリーモデル向けに格安SIMを提供しており、ユーザーの選択肢も増えています。